嗅覚

普段考えてること、猫とか、すきな人のこと。

フランシス・アリス展

〜メキシコ編〜

この間 駅のホームでポスターを見て
気になってたから用事がてら観に行って来た
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東京現代美術館
最寄りは清澄白河
初めて行く土地だったんだけど
大手町で乗り換えて4駅って考えると
案外近かったんだなぁ
駅から美術館まで距離があるけど
途中途中に案内が出てるから迷子にはならず
行きは下町の風景とか 小洒落た古書店を眺めながら歩いて
また改めてお散歩してみたい街だった

フランシス・アリス展はメキシコ編を第一期
6月29日からはジブラルタル海峡編を第二期とした二期制だから
また夏には足を運ぶ予定
入館料が一般¥1,100なんだけど
一期の半券を持ってると二期が¥500で観れるんだー
これは両方行かなきゃ勿体無い!

作品はほぼ映像作品で
中でも虚偽の物語と再演のふたつがお気に入り
虚偽の物語は 蜃気楼でゆらゆらしてる一本道を
少しずつ前進していくだけなんだけど
何もないのは分かってるのに
それでもその先に何かあるんじゃないか
と思ってしまう
はっきりと見えない道だからこそそう思いたい
これは日常の中にもある感情だよね

再演は ふたつの映像が隣り合ってて
隣は現実、ってタイトルなんだけど
ラファエル・オルテガとのコラボ作品のこれは
アリスがお店で銃を買い それを左手に握ったまま
足早に街の中を歩くのを撮った12分間くらいの映像で
最後は車の沢山停まってる通りで警官に取り押さえられて
そのままパトカーで連行されるんだけど
再演、はその後アリスが同じことを
銃をモデルガンに替えて 同じことをなぞって行く映像
最後の警官は演出である

この作品を見た時 最初は現実の方の文しか見てなくて
同じ日のことを2人別の角度から撮影してるのかなーって思ってたんだけど
微妙に通ってる場所が違うなぁと思って
もう片方の説明文を見てやっとそうだと気付いたの
それからもう一度見ていると
一度事が起きた後だからなのか
手にしてるのはモデルガンなのに
再演の方が人の視線を感じてた気がするんだよな
勿論現実でも"なんだあいつ?"って目で見られて
誰かに通報されたからパトカーが来た訳なんだけど
それにしたって何事もなく通り過ぎる人が多い

アリスに撃つ気はないと思ってても
受け取った銃をカシャっとする仕草は
何度見てもそこにシビれる、あこがれるゥ!
だって恰好いいんだもの
アリスのひょろっと背の高いビジュアルとまた合ってる

あとはポスターにもなってたトルネード
これもなんか わかんないんだけど
人って竜巻に入っても無事なんだなって←
竜巻を発見して それに向かって行って
中に入っては弾き出されて
また向かって行っての繰り返し
自分だけの力じゃ決して留まれないのに

今まで美術館と云えば
絵画とか写真とか 美術品であるとか
そう云うものしか観に来てなかったけど
こう云う作品も凄くいいなぁって新発見

普段通りの楽しみ方は
館内奥の常設展で堪能しました
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MOTコレクション 
第一部  私たちの90年 1923-2013
第二部  残像からーafter images of tomorrow
戦時中につくられた作品とか
震災の前後につくられた作品たち
アートってそれぞれの感じ方があるし
やっぱりどんなに見てもよく分からないものもあるけど
ここにある作品はなんだか好きだなぁ
常設展も定期的に変わるらしく
この展示は6月9日まで
残像から、で展示されてた ジョルジュ・ルースの
建物の写真に幾何学的な形がはっきりさた色で描かれてる作品がお気に入り
3作品あって、どの建物も取り壊しが決まってる場所らしかったんだけど
がらんと空っぽになったその空間に浮かぶその形や色に
建物がくっついて いつかクシャクシャと丸まって
溶けていきそうな気がして

館内のミュージアムショップも配置が可愛かったり
カフェも入ってみたいなーと思ったり
地下階にある美術図書室も凄く気になった
そうキラキラした気持ちで見て歩いてる間に
清澄白河が10分圏内の土地に住んでたら
そりゃあもう頻繁に行くんだろうなぁ
とか
いつかするかも知れない引越し先について考える