嗅覚

普段考えてること、猫とか、すきな人のこと。

くるみ割り人形 -文学への新しい冒険-

首藤康之が!と思ってチケットを取っておいた
ピアノ、朗読、ダンス各1人ずつの3人で演るくるみ割り人形を観に行ったのさ。
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公演時間は1時間くらい。
お話的には確かに短いけど 一体首藤康之たった一人で
登場人物の全てを演じ分けるなんて…
どうなってしまうの!って思ってたんだけど
舞台裏にはけてる間に本を読み進めたり
時にはその場で着替えてみせたりしながら
ドロッセルマイヤーおじさん、クララ、ねずみの主要キャラを演じていました(´-`).。oO

仕事でロシアに来てたカメラマンの石丸さんが
出掛け先で立ち寄ったお店の中で
棚に飾られた沢山のくるみ割り人形と絵本を見つけて
店主の姿も見えないし、外も吹雪いてるからと
絵本を読んでいる間に背後で物語が進む形。
攻めてきたねずみと戦った時に
お父さんを庇った息子が呪いによってくるみ割り人形の姿に…って経緯があり
ドロッセルマイヤーおじさんは クララならば人形の息子のことをきっと愛してくれる!と思って
クララにクリスマスプレゼントとしてくるみ割り人形を贈ったみたい


と云ってもクララ、店主ベースの髭有り首藤さんだから
部屋から起き出してきたクララが
「顔を洗って、身支度を整えて…髭もキレイに剃りなさい!」
みたいなこと言われてた。笑
他にも、ドロッセルマイヤーおじさんが手を人形に見たてて
赤いスカートを両手に穿かせて二人をテーブルの上で踊らせ
(足元では赤いポワントを履いて少しステップを踏んでみたり)
一頻り踊った後、クララにぽかんとした声で「何をなさっているの?」って言われたり
シュールな笑いがあって面白かったな´`

半分くらいか お話を読み進めた辺りで
店主が紅茶を淹れて振るまいに来るんだけど
当人はすごく美味しそうにその紅茶を飲むんだけど
振るまわれた男は大変な顔をしてとても飲めなさそう
それに気付かず どんどんお代わりをカップに注ぐもんだから
飲むフリをして床に捨て出す男。笑
そんなことが何度か繰り返されると店主も気付いて
もう一度紅茶を注ぐと 間近で飲むところを見守り
男が耐えられずに大変な顔をするのを見ると
味のわからない男め!とばかりに至近距離で威圧的な視線を送ってまた奥に消えていくと云う
ねずみの一件からトリッキーになったと思われるドロッセルマイヤーおじさんを垣間見れました(

なんせ首藤さんは丸で話さない
二人で居る時は石丸さんも話さない
若林さんが弾くピアノの音で情景を想像しておさめる

原作ではクララの愛情によって元の姿に戻る息子だけど
この作品では戻れずに
これからもずっとお前の傍に居るよ
と言った父親の愛情によって元の姿に戻ると云う
マレフィセント的な展開を見せましたとさ。
そりゃ一目惚れやら 生い立ちも知らずに出会って日の浅い人よりも
ずっと傍に居て見守ってた親の愛情の方が深いもの
他人(異性による恋愛的な愛情)任せじゃなくて
自分が守り抜くって決心が愛の証明になるってことなのかなぁ